もがき続けたことで見つけた私を突き動かす道

目次

働き方へのもがき

学生時代から「自分がやりたいことってなんだろう」を模索しては行動し、分からなくなってはもがく日々。会社を転職しても、もがきは変わらない。

娘を妊娠してからさらにそのもがきは強くなってきた。

働くことが嫌なのではなく
今の働き方では、自分の気持ちが乗ってこない。わくわくしていない。

惰性で働いている。
こんな姿を生まれてくる娘に見せていいのだろうか。

両親共働きで、忙しいながらもイキイキと誇りを持って働く姿を幼い頃から見てきた私。

子どもができてから、「家族」という存在を意識したときに
働き方に対して、更にもがくようになった。

(第一子を妊娠中の私。コロナ禍で誰とも会うことができず、悪阻のしんどさや働き方へのもがきで悩む日々)

首都圏から地方への移住

娘が生まれて、住む場所を改めて考えるようになった。

私は当時育休中だったが、復帰後もリモートワーク。
幸いに夫もリモートワーク。

お互いに、いつかは地方に住みたい。という希望があったので
これを機に、移住先を探すようになった。

旅先で大好きな四国や九州も視野に入れた。
そんな中、ふと私の頭に蘇った記憶。

栃木県益子町で、どこかの土手に座って母とおにぎりを食べた。
芸術の街、益子。いいかもしれない。

そう思ってすぐに調べ始め、夫にも相談し
空き家バンクから物件を見に行った。

いいかも。
ときめきがとまらなかった。
ここなら、何か新しいことができるかもしれない。
私たちらしい生き方ができるかもしれない。

多々困難はありながらも、なんとか契約でき
2022年8月、家族3人(+お腹に一人)で栃木県益子町に移住した

2023年、無事に息子も生まれ2ヶ月たち
そろそろ自分の新しい道に動き出さなくてはと思っていた

実は以前、「ハンドメイドのアイテムを販売しよう」と思い立ち
移住前に数回、講習を受けていたものがあった

これをいざやろう!と思うものの
中々手が出ない。
先が見えずに心が踊らない。

忙しい日々を言い訳に、手を伸ばさず
また働き方にもがく日々が続いた。

夫や周囲に急かされていた訳では無い。
むしろ急がなくていいんじゃない、と言ってくれていた

子どもたちが大きくなってからのほうがもちろん動きやすい。余裕もある
でも、今、この貴重な幼少期をめいいっぱい過ごすために
今動き出さないと駄目だ。

子どもたちが私の原動力になった。

(家族で大好きなクッキー屋さんにて。息子をおんぶして娘と手を繋ぐ、この頃の定番スタイル)

クバクロスとの思い出

そんなとき、ふと頭に記憶が蘇ってきた(蘇り2回目ww)

育休前、そしてコロナ前で会社に通勤していた頃。
ココロの踊らなさに加えて、組織の中で働く窮屈さに辟易していた
満員電車に揺られて、スマホをみていたときにみつけた「クバクロス」

ラグやファブリックが大好きな私はすぐに魅力され
なんてステキな布なのだろう!と
ワクワクし気分が高揚した。

よくみてみると
デザインが途中で変わっていたり、歪みがあったりと

大量生産ではない、手仕事ならではの温もりを感じると共に

気分でデザインを変えてしまうなんて
なんて自由でおおらかなんだ

と日本の美意識や統一されることが当たり前になっていた私には
とても衝撃的で

会社員として毎朝毎晩満員電車に揺られ
会社のオキテの中で働く日々にうんざりしていた私に

“もっと気楽でもいいんじゃない?”
と一つ道を見せてくれたような気がした

その後、クバクロスを調べる日々。
かわいいなあ、ほしいなあと思うものの
当時は金銭的に余裕がなかったので、手が出せなかった

移住してきた今。
これだ。
これでやってみよう。

そこから一つ一つ調べて進んでいった。

(クバクロス専門店AMKUPiの人気ロゴ。このロゴファンもたくさんで嬉しい)

直面する課題、上手くいかないことの方が多い

お店をはじめるって簡単なことじゃない。
はじめてから知ることもたくさんあった。

海外のセラーさんとの交渉
届かない荷物
自分だけではどうしようもないこともあった

生まれて数ヶ月の息子はまだまだ手のかかる時期
夜間授乳も2時間おきで、毎日睡眠不足だった
上の娘からよく体調を崩し、1ヶ月に1回は家族総倒れしていた

(しんどいときにもクバクロスを見ると、よし頑張ろう!ほどほどにね。と勇気づけられてきた)

動き続ける理由

動きを止めない。負けない
私にはやる理由がある。

オンラインショップをオープンするだけじゃない
その先には実店舗を見据えていた

自宅横に空いているスペースがあり
そこをお店にすることも考えていた
リアルの展示などで、実際のお客様と触れ合うたびに
実店舗オープンへの夢がどんどん広がっていく。

自分の好きをまた他の誰かにつなぐことができる
何より、お客様と触れ合うことができるこの空間が最高に楽しい

私って誰かと触れ合っていたり、誰かと感情を共感できることが嬉しいんだ。
幸せと感じるんだ

自分が自信をもってお届けできるアイテムを届けて
それをもっと多くの方と共感していきたい

誰かが私のアイテムを通して
暮らしがちょっと温かくなったり、毎日の気分がちょっと上がるような

そんなお店をつくっていきたい

オンラインの枠を出て、リアルでお客様と触れ合うことで生まれた
自分の気持ち

自分の気持ちに正直であることで
お客様にも正直になれる

そして家族にも。

(家族4人。近くの道の駅の公園にて)

スモール物販との出会い

「スモール物販」という環境は
私を引き上げてくれる環境だった

お店をはじめようと思って飛び込んだ環境
私にとっては逃げないための、覚悟を決めての挑戦だった

そこで出会った、師匠はるなさん

物販をやる上での知識はもちろんのこと、
それ以上に人としてどう考えるべきか
経営者としてどうあるべきなのか

直接的な言葉よりも、自分で考える言葉で寄り添ってくれた
そして私にチャレンジを与えてくれた

自分でお店をつくるって簡単なことじゃない。
うまくいくことより、うまくいかないことのほうが多い。
たくさん悩む日々も多かった

それでも私が前を向けたのは
このスクールの環境があったからこそ

わからないことは相談した
たまに突き返されることもあった
仲間と共に目標に向かって走ってきた

“常にゴールゲッターにならなくていい
前に進めなくても横にコロコロ転がっていたらいつの間にか大きくなっている
スノーマンタイプもあるんだよ”

自分の当たり前を変えてもいいんだ!という気づきも
たくさんあった

一人だったら途中でくじけて、道半ばで終わりにしていたかもしれない
はるなさんがいたからこそ、スクールの環境があったからこそ
諦めずにここまで進んでくることができた

そして、これからも。

カンタキルトワンピースのはじまり

以前から布や服が大好きだった
お洋服はジャンルを問わないが、自分の気分をあげてくれる
ハッピーなアイテムが好き

そして独特の風合いのある古着も昔から大好き

お洋服を自分でつくることも好きだった
私の好き、を届けたい。

大好きな布であるカンタキルトを使いたい、と真っ先に思った。

学生時代、インターンでインドに3週間滞在した経験もあって

インドの雰囲気、人の温かさ、自由さ、食事、布、花,,,
インドの文化が好きだった

(2012年にインターンで訪れたインド。毎日が刺激的だった)

カンタキルトは母から子へ嫁入り道具として送られ
代々受け継がれてきた手仕事の品

カンタキルトを構成するのは
使わなくなったサリーなどの布

使い捨ての文化でない
モノを大切にするインドの文化も大好きだった

貴重なカンタキルトにハサミをいれることは少し抵抗があったが
以前はサリーとして衣服として着られていた布がカンタキルトになり

そのカンタキルトがまた新たなカタチで衣服となって身につけられる
このアップサイクルなストーリーも面白い。

何より使い込んだ布を使っているので
カンタキルトは柔らかくて気持ちいい
温かみがある

裁断時になるべくロスがでないような置きにしよう

小さなお店、私だからできることをやっていこう
と決めた

こうしてカンタキルトを使ったワンピースの制作に取り掛かった

さて、どんなパターンにしよう。

何よりもカンタキルトが美しく、かわいく見えるように
そして着ていて気分の上がる一着

体系に自信のない私自らが、スッキリ着こなせてかわいく見えるパターンにしよう

ゴールが決まったら進むのみ

パターンを起こして修正し、
サンプルをつくり、客観的な意見ももらいながら仕上げていった

(パターンづくりに試行錯誤する日々)

そうして出来上がったオリジナルパターン

これをインドのセラーさんに送り
説明を行い、理解してもらった

セラーさんは全部で5社に連絡をとって
最もコンタクトがとれそうなところ、そして縫製技術が安定しているところを選んだ

パターンやセラーさんが決まっても
生地が決まらないことには制作できない

カンタキルトに合わせるのは
ハンドブロックプリントと決めていた

幸いにも私がお願いすることにしたセラーさんはジャイプール
ジャイプールはハンドブロックプリント発祥の地
今でもたくさんのハンドブロックプリントがつくられている

写真やテレビ電話で見せてもらう生地の美しいこと…
ハンドブロックプリントを選ぶのは問題なし

問題はカンタキルト
一枚の布として美しいものはたくさんあるが
ワンピースにしたときのイメージと合うものが中々見つからない

セラーさんには恐らく60枚は見せてもらった
「sorry…」
と何度テレビ電話で答えたことか。

もう、これでいいかな?
と妥協して選ぶこともできた

でも私が自信をもってお届けできるアイテムでないと
販売できない!

セラーさんに飽きられないように、複数資料をつくり
意思疎通を図れるように工夫しながらコミュニケーションをとっていった

そして決まったカンタキルト!
ここに合わせるブロックプリント、そしてパイピング、タッセルを決めていく

カンタキルトを選ぶ時点で、どんな雰囲気になるか、するかは
頭の中でイメージできているので
合うものを探すのみ。

インドのお祭りや文化などで、納期が遅れること多数だが
そこはコミュニケーション

インドの年間スケジュールを把握し
先の予定まで考えておく
日本の規則通りの文化を押し付けるのはナンセンス

私が惚れたインドの文化
敬意の気持ちを持ちながら、うまくコミュニケーションをとって
これからも益々いい関係性が築いていけるように

出来上がったniokiを代表する大人気のワンピース

そうして出来上がり日本に届いたワンピースたち

(カンタキルトとハンドブロックプリントを合わせたニウーキを代表するワンピース)

どれもとってもかわいい!
目がハート!
わくわくが止まらない!

でもこの気持ちは私だけ?

見に来た夫が「これは、いいね」との一言
(夫は会社員だが、趣味で洋服をつくる)

普段なにも言わない夫がこう言ってくれることに少し自信を覚えつつ
Instagramに投稿

たくさんの嬉しい反応があった!
ありがたいことに販売直後に完売
次も完売!その次も。

嬉しさが止まらない
そしてわくわくが止まらない

会社員であり二児の母でもある
毎日忙しいけど工夫すれば時間はつくれる

体調を崩さないように22−2時の間は睡眠をほぼ必ずとるようにし
クバクロスのお店、カンタキルトワンピースのお店
どちらも気持ちを込めて進めていった

口角を上げて、子どもたちの目をまっすぐ見て

実店舗をオープンして
お客様とリアルでもっとコミュニケーションがとりたい

それが今の一番の目標。

そして根本にあるのは
子どもたちの目をまっすぐに見ていたい
ということ

限りある一緒にいることができる親子の時間
それを今は一番大切にしたい

そのためには、私がワクワクして仕事をしていること
自分のココロが踊っていないと、家庭にもそれが出てしまう
母の機嫌で家族の雰囲気は変わる 笑

それは言い過ぎかもしれないが
やっぱり私はハッピーな母でありたい

そして母としての任務が少し降りたときにも
自分のワクワクを追求する、そして実践する一人の女性でありたい

もがいてもがいて見つけた
私を突き動かす道。

悲しい思いも悔しい思いもしてきた
何回も涙も流した

きっとこの先もたくさんあると思う

でも私は自分で切り拓いていく道が好き。
支えてくれる皆さんに感謝の気持ちをもって
これからも口角を上げて進んでいく。

(娘とのツーショット)

(nioki(ニウーキ)のロゴイメージになった写真。この写真を見るたび初心にかえることができる)


nioki(ニウーキ)・クバクロス専門店AMKUPi(アムクピ)金子朱々佳
@nioki.shop
@kuba_cloth_amkupi 
インドの手仕事を使ったワンピースを届けるnioki(ニウーキ)とクバクロス専門店
AMKUPi(アムクピ)の店主。通称おすず。
会社組織に行き詰まったときに道を拓いてくれたクバクロスとの出会いでショップをオープン。ニウーキのアイテムは全て自ら考案し、自分と同じような体系の悩みを解決し、着ていて気分の上がるアイテムを制作している。
“時代を越えて愛されるもの”が好き。流行り廃りでない。長く使える、愛されるものを制作販売している。

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