ヴィンテージに育てて欲しいと願って

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忘れられなかった、子供の頃の夢

専門学生の頃からずっと夢だった、ヴィンテージドレスで自分のお店を持ちたいという想い。
叶えられない夢はないと、まず、Webショップという形で叶えることができた。

でも、お店を持ちたいという夢を持つ、もっともっと前・・・子供の頃からの夢。
「ファッションデザイナーになる」という夢が少しずつ、顔を出していった。

お店にたくさんヴィンテージドレスをお迎えしていく中で、前の持ち主はどんなところにこのドレスを着ていったのかな?

どんな気持ちでこのドレスを纏っていたのだろう・・・そんな想いと同時に、
このドレスをデザインしたデザイナーへの想い、デザインに対しての想いを想像するのが癖になっていた。

全体的にフリルやレースがたっぷりのデザインだけど、鎖骨に少し透け感を持たせることによって、大人が着られるようにデザインされているんだ・・・

襟元と、袖口、スカート部分に同じディテールを用いることによって、全体に纏ったデザインになるようにしているんだ・・・

そんな風に、数々のドレスに向き合っていく中で、やっぱり、私は、ヴィンテージドレスだけじゃなくて、自分でデザインしたドレスをお客様の元にお届けしたいという想いが日に日に膨れ上がっていった。

自分がデザインしたドレスをたくさんのお客様の元にお届けする。
それも叶えた時に、本当に夢を叶えられたって言えるんじゃない??

ヴィンテージドレスが好きな人にも受け入れてもらえるのか

数々のヴィンテージドレスに向き合う中で、新たに生まれた、自分でデザインしたドレスを販売したいという想い。

でも、ヴィンテージ好きな人に、現在の、プロのデザイナーではない私がデザインしたドレスを受けていれてもらえるのか、ずっと不安だった。

それに、ヴィンテージという、もう作られていない、希少価値のあるレースや生地、ボタンに、現代のものが勝てるのだろうか??それにずっと思っていたこと・・・。

今、日本にある人気のヴィンテージショップで販売されているドレスって、ほとんどが海外のもの。日本のものも、もちろん一部ではあるかもしれない。

でも、夢の様に可愛いヴィンテージドレスって、大体海外のものばかり。

ヴィンテージのもっとこうだったらいいのにという想い

ヴィンテージドレスをお店にお迎えし、試着した時にいつも思うこと。
自分が、お客様として、ヴィンテージをお迎えした時に思うこと。

そして、お客様と会話していく中で、いつも共感することがあった。

「ヴィンテージドレスはいつも丈が長すぎて、合うものがなかないんです」

「胸元に透け感があるドレスは、インナーに迷って・・・」

「お気に入りがあったんですけど、体型が変わって着られなってしまって」

「ヴィンテージってお手入れが大変ですよね」

「ヴィンテージってもう作られていないから、いつか無くなってしまいますよね」

うんうん・・・すごく分かる。
私も小柄だから、ヴィンテージドレスの丈問題はいつも悩んでいた。
だからお店では、裾上げも承っているけど、やっぱりはさみを入れることに抵抗がある人もいる。

それに、インナー問題や、体型が変わって着られなくなるということ。お手入れの大変さ。
ヴィンテージの本当に素敵なデザインのドレスが、いつかこの世の中から消えてしまうということ。

その全てを解決したドレスを私が作ればいいんだ!
いつもヴィンテージを着るたびにもっとこうだったらいいのにと思っていた私の想いと、みんなの願いを叶えたドレス・・・

そして、日本のヴィンテージショップに、あまり日本製の可愛いドレスがないということ。

それが私がオリジナルドレスを作る原動力となった。

シンデレラの為のドレス

そうと決まったらまずはデザイン。このドレスはみんなで作りたい。
だから、お客様にご意見を聞きながら、1つ1つのデザインを決めていった。

徹底的に日本製に拘り、作ってもらう工場だけでなく、生地やレースに至るまで、丈夫な日本製のものを採用した。

生地は絶対にシワにならなくて、洗濯機で洗える素材を採用。日常使いができて、カラーも夢の様なカラーのある、コットンに見えるポリエステル生地を使用した。

レースは柄も素材も高級感のあるもの、日本製のものを採用した。もちろん可愛いだけではない。

胸元の切り替えは、インナーの肩紐が見えないギリギリの幅を採用し、下の切り替えは、レース付きのインナーを纏っても、見えない位置に。

長く着て欲しいから、体型が変わってしまっても着られる様に、ウエストはオールゴムに。丈は、小柄な日本人の女の子が引きずらずに着られる丈を採用。

そして、特徴的な胸元フリルのデザインは、大人気のヴィンテージの70’sのデザインを採用し、この女の子が本当に可愛く見えるデザインを、私とお客様の力で、後世に受け継いでいって欲しいと願っている。

そして、このドレスには、10種類以上のレースを使っている。

でも、決してケンカにならず、1種類1種類のレース全員が1つのドレスを協力して作り上げている。そんな素敵なドレス。リボンという仲間も一緒に協力してくれた。

シンデレラでいうと、たくさんのレースやリボン、生地は、魔法がかかる前のネズミやかぼちゃ。
それが、私という魔法使いの手にかけて、素敵なドレスに仕上げる。

それをお客様というシンデレラが纏って、夢の様な舞踏会へ出かけることができる。そんなイメージ。

このドレスを纏った女の子が、まるで魔法にかかった様に、本当に可愛くなって、夢を見ているようなドレス仕上げた。

魔法使いはもちろん、私だけではない。

このドレスのパタンナーさん、工場の縫製さん、生地屋さんや付属屋さん。もっというと、生地のデザイナーさん、レースのデザイナーさん、職人さんに至るまで、本当にたくさんの人達が、シンデレラの為のドレスを完成させる為に、関わってくれている。

1枚のお洋服が出来上がるのには、本当にたくさんの人が関わっていて、その1人1人がプロの仕事をしてくれ、本当に時間をかけて出来上がっているのだ。

このドレスをいつかヴィンテージへ

ヴィンテージのもっとこうだったらいいのにという想いを叶えた現代に生きる女の子に向けたドレスを作り上げた時、ふとこんな夢ができた。

いつかこのドレスを、ヴィンテージに育てて欲しいという想い。

このドレスをお迎えしてくれた女の子が、20年30年40年50年経って、いつかママやおばあちゃんになって、いつか、このドレスを着なくなったとしても、

手放せない、宝物の様に、クローゼットの中にそっといる。そんな存在になって欲しい。

そして、もしかして、その頃には、ちょうどこのドレスをお迎えした頃の年代の孫さんや娘さんがいるかもしれない。

ヴィンテージに興味をもった女の子が、ママやおばあちゃんのクローゼットをそっと開けた時に、見つけるこの宝物の様なドレス。

タグを見ると、「This dress is made in Japan♡」のメッセージ。

それを見て、日本にもこんなに可愛いドレスがあったんだ!と思ってほしい。

そして、娘さんやお孫さんと、このドレスをお迎えした時のこと、このドレスとお出かけした思い出を語ってもらえたら、こんなにうれしいことはない・・・

そんな風に思っている。


merletage vintage 愛
@merletage_vintage
「女の子の可愛いはずっと変わらない」をコンセプトに掲げたヴィンテージドレスと、mede in japanにこだわったオリジナルドレスを取り扱うvintage shopのオーナー。幼い頃から可愛いものが好きで、大人になった今でもそれは変わらず、幾つになっても好きなもの、可愛いものを諦めない女の子を1人でも増やしたいという想いで、shopを経営している。

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